
歯周病の原因は時代とともに変わってきた?
歯周病の原因は時代とともに変わってきた?
歯周病は、「世界で最も患者数の多い感染症」ともいわれています。
にもかかわらず、いまだに解明されていないことも多く、現在も研究が続けられています。
実は、歯周病の“原因”についての考え方は、研究の進歩とともに大きく変化してきました。
かつては、「プラーク(歯垢)が多ければ多いほど歯周病になる」という、比較的シンプルな考え方が主流でした。
1960年代頃までは、「とにかく汚れを落とすこと」が最も重要だと考えられていたのです。
その後、研究が進むにつれて、歯周病の患者さんの口の中では、特定の細菌が増えていることが分かってきました。
1970〜1980年代になると、「歯周病は特定の悪い細菌による感染症である」という考え方が広まりました。
その中でも特に有名なのが、Pg菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)です。
Pg菌は歯周病との関連が深いだけでなく、糖尿病や心血管疾患、認知機能との関連についても研究が進められています。
しかし、さらに研究が進むと、「悪い菌が1種類いるだけでは歯周病は説明できない」ことが分かってきました。
現在では、歯周病は「さまざまな細菌が互いに影響し合い、口の中の細菌バランス(細菌叢)が崩れることで起こる病気」と考えられています。
私たちのお口の中には、700〜800種類以上、数千億個もの細菌が存在しています。健康な状態では、それらの細菌はバランスを保ちながら共存しています。
しかし、磨き残し、喫煙、ストレス、糖尿病などの影響によってお口の環境が変化すると、細菌のバランスが崩れ、歯周病が進行しやすくなります。
さらに、歯ぐきに炎症が起こると、出血や炎症によって生じる成分を細菌が栄養として利用し、さらに細菌が増えるという“悪循環”も起こります。
つまり歯周病は、単なる「細菌感染」ではなく、「細菌」と「体の免疫反応」が互いに影響し合って進行する病気なのです。
だからこそ、歯周病予防では「菌をゼロにすること」よりも、「細菌のバランスを健康な状態に保つ」ことが大切です。
そのためには、毎日の歯みがきや歯間清掃がとても大事です。
1日2~3回歯磨きをする。鏡を見ながら、磨く。歯間ブラシやデンタルフロスを使う。
そこまでやっても、3ヶ月程度で細菌のバランスは崩れてきます。
そして定期的なメインテナンスも、大事です。
患者さんには、分かりやすくクリーニングに来てくださいとお話をしますが、実は定期的なメインテナンスでは、目に見えるような歯の表面の汚れを掃除することが目的ではありません。
歯周病の治療として歯周ポケットの中のバイオフィルム(細菌の膜・塊)を取り除き、細菌のバランスを整え歯周病の進行を予防することが真の目的なのです。
そして、良好な細菌のバランスを維持できるように、歯磨きの状態をチェックして、ご指導することも大事な歯周病の治療なのです。
歯周病研究は今も進歩し続けています。しかし、昔も今も変わらない大切なことがあります。
それは、「毎日のセルフケアと定期的な管理が、お口の健康を守る基本である」ということです。
痛いところを治すだけではなく、
いつまでも自分の口で食べられるよう管理栄養士を含めた多職種連携で長いお付き合いを目指しています。
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